面接の締めくくりといえば、「最後に何か質問はありますか?」という質問ではありますが、「最後に何か言いたいことはありますか?」のパターンもあります。
「最後に何か言いたいことはありますか?」
この質問は、「最後のチャンスを与えてやるから何かアピールしてみろ」ということです。
つまり、それまで受け答えでは不合格だけど、最後に挽回のチャンスでしっかりアピールできれば、次の面接の進めるということです。
質問の意図
最後の挽回のチャンス
先にも解説した通り、面接官から「最後に何か言いたいことはありますか?」と質問がくるのは、最後の挽回のチャンスを与えてやる、ということです。
基本的に、面接官は自分のタイミングで面接を終わらせることができます。不採用の学生であれば、志望動機や自己PRなど基本的なことだけ聞いて、さっさと面接を終わらせてしまえばいいのです。
それにもかかわらず、「最後に何か言いたいことはありますか?」と聞くのは、通過の可能性があるからです。
ただし、合格点ギリギリであり、最後のアピールが上手くいかなければ、不合格です。合否を左右する最後の、最も重要なアピールになるわけです。
回答のポイント
そもそも、「最後に何か言いたいことはありますか?」と聞かれることはほとんどありません。
わざわざこれを聞くということは、面接官個人が合格の決定打がほしいのです。たとえば面接後、上司に「なぜあの学生を通過させたのか?」と聞かれた時に、「最後のアピールが決定打となりまして……」といったように妥当な説明をできるようにしておきたいのです。
この質問では、もはや会社としての採用基準は関係なく、「最後にオレの心を動かしてみろ!」という趣旨が強いともいえます。
感情に訴えるか、理屈で自分を採用するメリットを伝えるかは、その面接官の好みによるところがあります。そのため、これをいえば逆転できる、などという必勝法はありません。
会社に対する思い、採用するメリットを伝える
無難な回答は、感情に訴えながら、採用するメリットを論理的に伝えることです。
「どうしても御社に入社したい!」という熱い思いを伝えるととともに、「私を採用すると御社にこんなメリットがある」「私は御社で絶対に活躍できる」ということをある程度、論理的に説明するのです。
これで不採用になるなら、その会社には縁がなかったということで、清く諦めましょう。
自分から言い出す「最後のアピール」は無意味
「最後に何か言いたいことはありますか?」と質問される場合、挽回のチャンスはあるといえます。
しかし、学生側から「最後にアピールしてもいいですか?」という場合は、挽回のチャンスはありません。
もちろん面接官は、「どうぞ」と答えさせてくれるでしょう。しかし、面接官はそれをしっかり聞いてくれるとは限りません。
面接官は基本的に、自分の聞きたいことしか聞きません。また前述の通り、面接官は自分のペースで面接を進め、自分ペースで面接を終わらせます。聞きたいことを全部聞いて「やっと面接終わり!」、という時に学生から「最後にアピールしてもいいですか?」と言われるわけです。当然、いい気はしません。
また面接官からすれば、「こっちが質問した時に最大のパフォーマンスを出せるように準備しておけ!」と考えるでしょう。つまり、「最後にアピールしてもいいですか?」と進言するのは、アピールにならないどころか、評価を下げる可能性もあるのです。