「所属している学部を選んだ理由を教えてください」
これは、就活をしていれば何度か聞かれることがあるほどの頻出質問です。
面接官は、学部を選んだ理由から学生の価値観や考え方を判断します。
受け身な人間だと思われない回答、そして学部を選んだ理由と実際の学生生活が矛盾していない回答をすることが大切です。
それでは詳しく解説していきます。
質問の意図
「所属している学部を選んだ理由を教えてください」この質問の意図として考えられるのは、以下の3つです。
- 学部を選んだ理由から価値観や考え方を判断しようとしている
- 学部を選んだ動機と、大学生活の送り方や就活に一貫性があるか
- 勉強に対して、どんな姿勢で取り組む人なのか見ている
大学の学部選択という、人生の分岐点で、何をどのように考えて、今の学部を選んだのか?
これを聞き出すことで、面接官はその学生の本質を探るのです。
例えば、「たまたまその学部だけ受かったので」「単位が取りやすそうだったので」という回答があれば、面接官は「この学生は目的もなく、人生を歩んできたんだな。多分うちの会社も何となく受けたんだろう」と判断します。
逆に、確固たる目的があって今の学部を選んだ、と回答があれば、「主体的な学生だな、うちの会社もしっかり目的があって受けているのだろう」と判断できます。
このように学部を選んだ理由・動機から、価値観、人間性、考え方を把握し、入社後に活躍してくれるかどうかを判断するのです。
回答のポイント
大学生活、企業を選んだ理由などと矛盾しないように語る
最も大切なのは、一貫性がある回答をすることです。
学部を選んだ理由、実際に送っていた学生生活、企業を選んだ理由、すべてにおいて、一本筋の通った価値観が見える回答ができれば、この質問は合格です。
例えば、「いろんな文化の人と接したいと思い、留学生が多い国際コミュニケーション学部にしました」と回答したとします。
次に面接官から「では、海外旅行にいったり、サークルに参加したりと、いろんな人と接してきたんでしょうね」と聞かれた時に、「いや実は、海外旅行には一度いったことがなくて、サークルもバイトもしていません」となってしまうと、一貫性がありません。
「いろんな文化の人と接していたい」と言っておきながら、いろんな文化の人と接するためのことを何もしていないわけです。これでは面接官は納得してくれません。
逆に、「学生時代は、いろんな文化の人と接するために、留学生交流会やボランティア活動をしていました。外国人観光客を相手にする機会が多い、御社の仕事でも私の経験を生かせると思っています」という流れであれば、学部を選んだ理由、学生生活、企業を選んだ理由に一貫性があります。
このように、学部を選択した理由と、実際に送っていた学生生活や企業を選んだ理由に一貫性がないと、面接官は納得してくれます。
志望動機や学生時代に力を入れたこと、で話す内容と矛盾しないように、学部を選んだ理由を回答するようにしましょう。
「受け身な人」だと思われる回答はNG
「何となく面白そうだったので」
「この学部しか受からなかったので」
「楽そうだったので」
などの回答はNGです。
目的もなく人生選択をする受け身な人間だと受け取られるからです。
また「うちの会社も楽そうだから受けたのだろう」「手当り次第エントリーして、受かる会社に就職すればいいと思っているのだろう」などと、ネガティブな判断をされてしまいます。
実際、何となく学部を選んだからといって、その人が受け身な人間であるとは限りません。学部を選んだ理由なんて「その学部に受かったから」がほとんどです。
学部を選んだ理由で人間性を判断するのは、高校時代(もしくは浪人時代)、つまり3年以上も前の人間を判断するということです。3年あれば人間性や価値観は充分に変わります。特に20代は。
つまり、学部を選んだ理由で人間性を判断するということがバカげているのです。それでも何も考えず、質問する面接は必ず存在するので、しっかり答えを用意しておくようにしておきましょう。