
新卒の就活において、2社、3社しか応募しないという人はほとんどいません。
ほとんどの学生が、20社、30社、多い人では100社以上を受けます。
ここで問題になってくるのが、受ける企業によって、志望動機や自己PRを変えるべきかどうか?
もし変えるとしたら、20、30通りの志望動機や自己PRを考えないといけないことになります。
就活とはそんな大変なのか?
結論を先に述べるなら、
志望動機はその会社でしか通用しないことを述べる必要があります。そのためどの企業でも同じ、というわけにはいきません。
いっぽう、自己PRはどこの企業でも同じで問題ありません。
その理由について詳しく解説します。
志望動機は「その企業でしか通用しないこと」を述べる必要がある

当然ですが、どこの企業でも通用するような志望動機では、良い評価を得られません。
「その企業だからこそ私は入社したいんだ」という思いが伝わるよう、その企業でしか言えない志望動機を考える必要があります。
では、1社、1社、まったく異なる志望動機を考えなければいけないのでしょうか?
企業選びの軸が明確であり、その軸をベースに企業を選んでいる人であれば、20社でも30社でも簡単に志望動機を作れます。
逆に企業選びの軸を決めず、とりあえず受ける企業を先に決めているような人は、志望動機を考えるのに苦労します。
企業選びの軸をベースに志望動機を考える
企業選びの軸が明確であれば、志望動機は考えることができます。
たとえば企業選びの軸が、「成果正当に評価してくれる」「雰囲気の良い会社」であるならば、この軸をベースに、20社、30社の受ける企業を選んでいるはずです。
であるならば、志望動機はこの軸をベースに考えて、さらにその企業独自のポイントを追加すれば志望動機は完成します。
企業選びの軸が「成果正当に評価してくれる」ならば、「OB訪問を通じて、御社は成果を正当に評価する社風だと感じたので志望しました」とし、さらにその企業でしか通用しないことを追加すれば、立派な志望動機の完成です。
企業選びの軸をベースにした、「OB訪問を通じて、御社は成果を正当に評価する社風だと感じたので志望しました」の部分はどの企業でも使える文言です。
つまり考えればいいのは、「企業でしか通用しないこと」だけです。
企業選びの軸が明確であれば、「企業でしか通用しないこと」を考えるだけで、志望動機を作れるのです。
このような流れで志望動機を考えれば、20社、30社で異なる志望動機を語ることは簡単です。
陥りやすい過ちは、先に志望会社や志望業種を決めて、その後でそれぞれに合わせたもっともらしい志望動機を考えてしまうことだ。
発想の仕方が逆なのだ。
まず、入りたい会社を決めて、それから都合のいい志望動機をでっちあげようとするから、10社受けるときには、10社分の志望動機が必要になってくる。
そうなると、そのどれもが都合の良い志望動機だから、すべてもっともらしいけど、すべて本気ではないということになってしまう。
※「面接の達人2019 バイブル版 (MENTATSU)」より
自己PRは同じでいいが、どこでも通用するベストなものを考える

面接におけるベストの自己紹介は、たった1つだ。
A者にはベストな自己紹介だが、B社にはベストではないとしたら、そもそも君が用意したA社用の自己紹介が間違っている。
ではB社用の自己紹介を、A社でも使えばいいのか。
発想の根本が間違っている。
どんな会社でも通用するのがベストな自己紹介なのだ。
※「面接の達人2019 バイブル版 (MENTATSU)」より
上記の自己紹介は、自己PRとほとんど同じ意味です。
自己PRとは、学生時代に力を入れたこと、長所や短所、苦労した経験など、自分の過去や性格について話す場面です。
どの業界、どの企業を受ける場合であっても、自分の過去や性格は変わりません。
受ける企業によって性格がころころ変わったり、周囲での役割が変わったりする人なんていません。過去は変えられないのですから。
つまり、どの企業でも同じ自己PRを話して問題ないということになります。
もちろん悪い自己PRをずっと使い続けるのは問題です。
ですが、A社で評価された自己PRであれば、B社でも、C社でも評価されるはずです。